映画とか音楽とかの雑記

映画が大好きな社会人の雑記、メモ帳代わりに

映画の歴史 その2 初期映画、映画の可能性

アウトプットとして書きます。


 映画の誕生によって、人々は動く世界に驚きます。客観的に自分の姿を見ることや世界中の珍しい光景を目のあたりにすること、映画は人々に慣れ親しまれていく。
 「驚き」は慣れと共に鈍化していく。映画もその例外ではなかった。製作者たちは新たにカメラを向ける「対象」を探していた。

 そして、映画の初めての「危機」を乗り越える2つの要素が見出される。

 1つは戦争。シネマトグラフの発明からすぐに、米西戦争1898ボーア戦争1899などが起こった。戦争を撮影した映画(一部スタジオで撮影された映像も混じっていることもあったらしい)が上映されると常に満員状態で、軍関係者などは戦争映画が国民の愛国心や戦意高揚に役立つことに気付き始める。
 以来、映画は戦争と強く結びつき、皮肉にも戦争を助長する形で急速に成長していく。


 もう1つの要素は物語。主人公がいて、時間軸があり、始まりと終わりがある世界。映画誕生以前には小説や芝居といったもので表現されていた「物語」が、映画というメディアによって新たに作られていくことになる。
 初期のフィルムはわずか50秒程度の上映時間しかなかった為、製作者達はフィルムを繋いで行くことでこの問題に対処した。物語映画の題材には、人々がすでに知っている事象社会的大事件、有名な童話、聖書など)が選ばれた。
 
 初期映画における代表的な人物がジョルジュ・メリエスである。かれは映画にトリックを発見、フィルムの操作によって様々な仕掛けを作り出す。



 初期映画の表現技法には今日の映画では観られないようなモノがいくつかある。主に物語を形作る上での「時間」や「空間」の描き方だ。製作者達の中、また映画を観る人々の中には明らかに、19世紀的な映像パラダイム映画誕生以前に生まれた人々の映像の捉え方考え方)が存在していた。これに映画の誕生によって新たに形成された映像パラダイムが混在していた。
 
 やがて、20世紀的映像パラダイムが優位になる。新しい映像技法が生まれ、世界各地に映画館が誕生し、映画は見世物から産業へと飛躍していく。