映画とか音楽とかの雑記

映画が大好きな社会人の雑記、メモ帳代わりに

映画「オデッセイ」を観た

監督リドリー・スコット、主演マットデイモンの作品「オデッセイ」を観てきたので感想を書きます。※多少ネタバレ含みますのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 2016年で初めて当たりと思える作品でした。アカデミー賞作品賞への期待も多少高まります。予告を見た限りでは、シリアスに寄った骨太ヒューマンドラマなのかなと考えていたのですが、実際に劇場で鑑賞してみるとそこまでシリアス色は強くなく、笑わせてくれるシーンもあり感動もありと142分の上映時間の中で、様々な方向へと心を揺り動かされました。

 ストーリーは予告からも分かる通り、火星探査中に遭遇した砂嵐での不運により一人火星に取り残されたマットデイモン演じるワトニーが様々な知恵を駆使して火星で救助されるまで自活し、ワトニー以外の探査チームの面々は彼を救出するため火星へ戻るという内容です。

 まず序盤のワトニーが火星で生き残るために作物を栽培しようとするシーンで一気に作品に引き込まれました。作業のカットのつなぎ方もテンポよく台詞回しもクスッと笑わせてくれてワクワク感がありました。このシーン以外にも幾つか作ったり直したりといった場面があり「ハリウッド版DASH村」なんてネットでは言われていますね。また、いくつものトラブルに見舞われるワトニーがそれを何度も何度も考え、解決していく場面が映し出される度に学者(彼は植物学者)として宇宙飛行士としてのワトニーがクローズアップされ、一方でFワードを使ったり暴れてみたりと彼のキャラクターをより深く知ることで観客がよりワトニーを好きになり、感情移入できるような演出になっていたと思います。

 あまり内容に言及しすぎるのもアレなので、最後にひとつ。終盤ワトニー救出に中国国家航天局がNASAと協力をするのですが、確かに昨今の国際情勢を考えると違和感がありました。しかしこの展開は原作でも同じであること、そしてこれは完全に私個人の意見ではありますが、地球という殻を破り宇宙という新たな世界で人種も国も関係なく手を取り合う姿に、私の時代よりもずっと先の未来への希望のようなものを見出すことが出来ると思いました。(私が好きな某ロボットアニメからの影響大です)何より、そのシーンで流されたデビッド・ボウイのスターマンがたまりませんでした。

 

 オデッセイはアカデミー賞複数ノミネートされている通り、非常にレベルの高い映画でした。特に挿入曲は前述のデビッド・ボウイ然り、観客側のテンションをコントロールする要素として重要な位置を占めていたと思います。また撮影地に使われたヨルダンのワディ・ラムアラビアのロレンスでも使用された砂漠地帯で大変美しく、登場する探査船やユニットなども良く出来ていたと思います。ぜひ劇場でご覧になることをオススメします。