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Base Ball Bear 新アルバム 「新呼吸」レビュー

こんにちは、発売から長い時間が経ってしまいましたが、Base Ball Bearの新アルバム「新呼吸」のレビュー書きたいと思います。


メジャーデビューしてから1st、2nd、3rd、3・5thとアルバムを発表してきた彼らの4・0thアルバム。今年が活動10周年ということもあり
彼らにとっては10年間の集大成的な意味もあったと思う。

コンセプト性のかなり高いアルバムで、1日の始まりから翌朝までの流れに沿って曲が列んでいて、繰り返される日常をドキュメンタリータッチで描いた作品。

ギターボーカルの小出さんは今年身の周りで起こった様々な出来事と「新呼吸」というキーワードをクロスさせることでこのアルバムの方向性を決めていったらしい。
自分の日常について、太陽が昇り月が出て、また太陽が昇ってという繰り返しの日常の中にある普遍性と不普遍性とでも言うべきものをそれぞれの曲に込めていった。

さらに「yoakemae」のシングルの歌詞カードに数字の27を書いた、これはアルバムのコンセプトの伏線となっていたり、それをアルバムで回収し時間軸を完成させる。
かなり考えこまれた面白いアイデアだと思った。

1曲目のブザーのような音、12曲目のフェードアウトなどからも感じることが出来る。


自分の中で良い曲だなと思ったのは
2ダビングデイズ サビの歌詞に多くの人が共感したはず、浮遊感のあるギターもマッチしていた。 
5スローモーションをもう一度 夕時の曲、哀愁あるギターが際立っていた。
6shorthair ベボベらしいサウンドと切ない歌詞、ロックの要素とポップの要素のバランスが良い。
7Tabibito in the dark これまでの曲の中で歌われていた「僕」の苦悩を発散させる曲、この時だけは何も考えなくていい、すがりつくように歌う小出さんのボーカルが素晴らしい。
8ヒカリナ 問題から逃避していてはダメだ、と「僕」が奮起する。 希望の曲
12新呼吸 タイトル曲、それも最終曲に持ってきている、答えが出ることを期待をしつつ新しい朝を迎え、新しい呼吸をする「僕」。

これまでのBase Ball Bearの中にあった「ロック」の部分と「ポップ」の部分、それが見事に融合されたサウンドは邦ロックバンドでも屈指になった。また、今までは湯浅さんの不思議なリードギターばかりに聞き入っていたが、今回はドラムとベースが時折光を放っていた気がする。
サウンド面では進化というよりも熟成したという表現の方が適切かもしれない。


このアルバムに関する小出さんの発言、さらに今までの作品を振り返るライナーノーツから察するにBase Ball Bearというバンドはとてつもなく高度な作品作りをこれまで続けてきたんだなととても驚いた。特に小出さんの作詞作曲のセンスは同年代の誰にも越えられないくらいのレベルの高さがある。

2011年に対する10代20代の感じたことの代弁のようにも聞こえるし、彼らが若い世代のスポークスマンになっていくことは間違い無い。
小出さんが、Base Ball Bearがその役割を担ってくれることを切望する。